2021年5月18日火曜日

Kapsperger宗教曲の拍が合わない部分を色々考える

先のブログKapspergerの宗教曲のファクシミリからLilyPondで作譜でも上げた後半の部分、歌の方にも意見を聞いて色々検討。
大きく分けると
・通奏低音を基準に考えて、歌の旋律の方が即興的な動きをしたのをたまたま書いていると考えるか、
・歌の旋律をメインに考えて通奏低音が引き伸ばしたりしていると考えるか。
 
前者は、楽譜の見た目上変ホ長調が鳴って収まりが良いけど、
後者だと通奏低音と歌の旋律が7または9の位置でぶつかるという解決策の可能性があって、それはそれで緊張感があってとても面白い。
 
通奏低音基準とは言っても、機械のように2分音符が決まった長さで淡々と動くわけではなくて、2つ目のd上では歌の旋律にたくさんの音符が乗るから、先のブログのようにたとえそれを全部16分3連で解釈したとしても、若干引き伸ばして弾くことになると思う。

無料モダン譜の解決。
せめて注を付けてほしい。
こういう箇所はとても悩ましいし、自分でもよくよく考えるけど、ソロ曲ではないからアンサンブルとしてどうするかどうしたいかにもよるから、近々予定している合わせでどうなるか、どういう落とし所になるか、楽しみ半分不安半分。
 
どちらにしても、いくつかのパターンを実際鳴らしてみて決めることになるだろうし、その次の合わせではまた変わるかもしれない。

2021年5月17日月曜日

Kapspergerの宗教曲のファクシミリからLilyPondで作譜

Kapspergerのとある宗教曲の楽譜をLilyPondで作ったけど、本っ当に大変だった…。

特に後半、小節単位での拍子が全然違っていたので、これまでみたいにC基準で小節線を消すというのがうまくいかなくて、毎小節拍子を変えて、拍子記号を消すという荒業で対応。

あと、後半の16分音符はその前と同じく3連じゃないとバスとのつじつまが合わない。
もっとわからないのが下記で、ファクシミリ通りだとどう考えても拍がおかしいので4分音符を16分にしてつじつまを合わせたけど、それでも4分音符1拍分がバスと合わないので、たぶん3連かも?
つまり「16分音符12個」の内訳は
・16分☓4つ☓3拍=付点2分
ではなくて
・16分3連☓6つ☓2拍=2分
という計算。
一応そのままにして、バスの方で必要な4分音符は隠す。
 
あと、臨時記号の書き方が一貫していないので、合わせの時に要検討。

ともかく大変だった。
けどLilyPondでの書き方が色々わかった。
 
ネットの無料モダン譜は(いつものことながら)こんな解決でいいの?みたいな感じ。
 
それにしてもは細かなメリスマもすっごく多いので難曲。
でもうちのソプラノさんはこれが歌えてしまうから、素晴らしい。

2021年5月15日土曜日

Kapsperger宗教曲のモダン譜の問題

La voce del Seicentoで、Kapspergerの宗教曲に少しずつ取り組んでいる。

リズムの書き方が独特なので、自分でもファクシミリから楽譜を起こしている。
ただ、ファクシミリが見づらくて、休符なのか付点なのかわからなかったりだけど、幸い拡大できるのと、一応モダン譜で比較できるので何とかはなる。
 
そのネットにあるモダン譜は、結構問題がある。
細かな音符のリズムを大胆に書き直している上に、なぜか旋律まで書き直している。 
Kapspergerの細かな音符、特に三連符などの連符は独特な書き方をしていて、かなり数えないとよくわからない。
和声もそれで良いの?と思う場面も。
 
そのあたり、校訂報告などちゃんと説明が書いてあれば良いけど、それもないとなると、元がどうなっていて、なぜそうしたかがわからない。
モダン譜だけしか見ないで演奏された日には悲惨で、オリジナルとは和音もリズムも、もしかしたら旋律まで違う!

Kapspergerは、テオルボやリュートのソロ曲を弾いていると、細かな音符は声楽曲とまた違う書き方をしているものの、どういうリズムを書きたいのかということはかなり参考になる。

だから、テオルボやリュートでKapspergerを弾いていないと、声楽曲の楽譜を起こすのはもしかしたら難しいかも…と感じる今日この頃。

それにしてもネットにある無料の楽譜は本当に油断ならない。

2021年5月12日水曜日

テオルボ弦交換:F

テオルボ、Fの音色が気に入らなくなってきて、ついに色々交換。
写真は交換前。
 

通奏低音の時には少し気になったのが、ソロとなると隣の弦との音色や音量の違いが気になるようになってきた。
 
しばらくはそのかなり明るめで音量が割とある弦にしていて、それより低い弦とは良かったけど、それより上が全体にやや暗めなので、それとのバランスが結構難しい。
 
まず換えてみた弦はゲージが少し太すぎて、何よりも他とのテンションが違ってしまって、音色も張りはあるけど潤いがないという感じだったけど、ちょっと細めにしてみたらテンションもほぼ合って音色のバランスも上と下の中間のような感じで一応納得。
 
こうなると上のGとAが気になるけど、先に交換したGはGで難しい。
明るめの音がほしいからと言って巻き弦にすると、サスティーンが長すぎてそれはそれでバランスが取れなくなる。

10コース・リュート遊び色々

 10コース・ルネサンス・リュート遊びは、ZamboniのArpeggioとDowlandをいくつか鳴らす(弾くとは言えない)ことで満足していたけど、今日はPiccininiとKapspergerも少し弾いてみる。

PiccininiとKapspergerはテオルボでは常に練習しているけど、リュート曲は視点がまた違って面白い。

ZamboniのArpeggioは本当に美しいので、思わず自分で五線付きのフレンチ・タブラチュアにしてしまった。


テオルボ練習もしっかり。

Piccinini, Kapsperger, Castaldiのいつものメニュー。

2021年5月9日日曜日

テオルボの選定曲練習だけのはずが

テオルボのソロ曲を弾く機会が増えてきて、これから6,9,11,12,1月と演奏機会がありそうなので、そのために曲をある程度選定しての練習。

Piccininiは3フィンガーでの基本練習のつもりでいくつか。
3本指を使って4つ以上の音の和音を弾くのはまだまだ大変だから、良い練習になる。
 
Kapspergerは、彼の宗教曲をLa voce del Seicentoで歌う関係で、今後演奏する可能性が高いから、以前弾いたトッカータと他に2曲を練習。
苦手な指使いの所をゆっくり集中的に練習して、時間がかかった。
 
Castaldiは既に人前で演奏した曲の復習と、他にできそうで聴き映えする曲をと思って弾いてはみるけど、なかなか難しい…。
という感じでリュートを弾く気力がなくなっていたはずだけど…。
結局リュート練習してしまった。
ZamboniとDowland。
…初心者が練習する曲ではないなぁ。
でも美しいなぁ。

 

2021年5月8日土曜日

18世紀の13コース・リュートのZamboniとバロック・リュートのKellnerを弾いてみる

3月のレッスンの楽譜をちょっと整理していて、13コース・リュートのためのZamboniのCaconaもあったんだというのを改めて発見。
早速弾いてみた。
和音が面白いけど、難しい!
その上、最後の方になると10コースでは低音が足らない💦
となって、これはやはり13コースないとダメなのだな…と思った。
そして、バロック・リュートのためのKellnerのAriaも美しい曲だなぁ…弾いてみたいなと思ってトライ。
やっぱりとっても美しい🎶
 
でも、その時はバロック・リュートのことがわかっていなかったら、ニ短調調弦のタブラチュアを眺めていただけだけど、いざ弾こうと思ったら、これってどこで弾くの?というのがいくつか。
 
クラシック・ギター用の編曲があったので、それを見て、後の2つは第7コースを書かれている通り3フレット目と4フレット目を押さえれば良いんだけど、最初の1つが1フレット目を押さえるというのに気付くのに時間がかかった。
 
18世紀のリュート曲は、Zamboniもそうだけど和音がともかく美しい。
そしてニ短調調弦になると、上の音からf' d' a f d A G F E D C B, A,と同じ音が多いから共鳴する弦が多くて、弾いてなくてもそれらがそこはかとなくなっているのも美しい。
こうなるとあとはWeissか。